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『冠婚葬祭入門』は必要最低限の作法を示す

以前の冠婚葬祭マニュアルで、「婚」以上にわけがわからなかったのは「葬」である。素っ気なさすぎたり、細部に入りこみすぎていたり。『冠婚葬祭入門』は必要最低限の作法を示すことで、そのモヤモヤした部分に輪郭を与えた。これは「婚」のページにもいえることだが、もともとの「しきたり」を右から左へ伝えるだけでなく、著者ならではの踏み込んだ提案もまじっていた。〈喪服に、真珠のアクセサリーをつけてもよい〉、〈香典包みの中包みにも、金額と氏名を明記する〉、〈「御霊前」ということばは、どの宗派にも通用する〉、〈お悔みのことばは、月並みなほどよい〉、〈大きな告別式では、遺族に直接お悔みの挨拶を述べなくてもよい〉などは『冠婚葬祭入門』が広めたマナーといえるだろう。喪家に対するアドバイスも、葬儀社が仕切ってくれるだろう部分は割愛し、近親者が直接関与する部分だけに的がしぼられている。

時候のあいさつから始めるのが一般的

女性からの手紙は、「○○さん」などと呼びかけから始めるか、時候のあいさつから始めるのが一般的だ。文中では、相手の名前が二行にまたぐのは失礼なので避ける。また、相手の名前はできるだけ上に、「私」などはなるべく下にくるように書く。結びのあいさつは冒頭のあいさつと対応している。冒頭が「拝啓」なら、結びは「敬具」か「敬白」、「謹啓」「謹呈」なら「謹言」「謹白」、「前略」なら「草々」、省略した場合は「ごきげんよう」や「さようなら」でいい。日付は最終行から一行あけ、本文より一〜二字下げたところに書き、日付の下に本文と行末をそろえて署名し、一行あけた高めの位置に相手の名前を書く。封筒に封をした上には、「封」「絨」などの文字を書く。便箋は、親しい友人など以外は、縦書きにして派手なデザインでないものを使うようにし、急ぎの手紙以外は二枚以上にする。封筒は、二重封筒が正式だが、弔辞のときは、二重封筒は「不幸が重なる」に通じるとされているので、使ってはいけない。

はじめて会食の幹事に。不安です……

会食がうまくいくかどうかは店選びにかかってくる部分が大きい。参加メンバー全員の好みに合わせることはむずかしいので、接待を受ける側のトップの好み、接待でなければグループのリーダー格の人の好みを重視する。食事のことで文句を言いそうな人に先に相談してしまうのも手。参加メンバーに「○○さんが推薦してくれました」と紹介すれば文句もつきにくい。予算5000円の和・洋・中、1万円の和・洋・中、というくらい「うまくいった例」のお店のストックがあると、いざというとき困らない。新人はよく宴会の幹事を頼まれるものだが、困ったら「わからないので教えてください」とリーダーにかわいく頼ってしまおう。お店を決めたら早めに予約しておくこと。当日は少し早めにお店に着き、席や料理の確認を。